恵まれた方
福音自由教会牧師
前 小さないのちを守る会代表
辻岡 健象
おめでとう、恵まれた方。
主があなたと
ともにおられます。
(新約聖書 ルカによる福音書1章28節)
御子イエスをその胎に宿し、産む使命を与えられたマリヤに、御使は「おめでとう、恵まれた方。」と語り祝福します。予期しない受胎に、マリヤはひどく戸惑い、胸騒ぎして言います。「どうして、そのようなことに…」。ヨセフは婚約者マリヤをさらし者にするに忍びず、ひそかに婚約破棄を決意します。我が身に覚えはなく、また愛するマリヤに裏切られたという憤りでもなく、結婚以外の妊娠・受胎をすべて石打ちの刑・死刑という厳しい当時の法律に思い悩みます。そのとき、御使が夢に現れてヨセフに告げます。「恐れないでマリヤを迎えなさい。その胎に宿っているのは聖霊によるのです。」
私たち人間の思いをはるかに越えて働かれる神の生命創造のみ業、そして与えられるいのち!それは神が与えるもの、神のいのちです。この厳粛な事実と真理を身をもって体験したマリヤとヨセフは、以後、わが身にいかなる事が降りかかって来ようとも、ひとたび与えられた尊いいのちを、文字通りいのちをかけて守ります。まはや世間体を恐れず、世の中傷やあざけりを意にかいせず、神がわが身になされた生命創造のみ業を思い、「どうぞ、おことばどおりこの身になりますように。」と、いのちを優先します。
いかなる事情があっても、どんな理由があっても、ひとたび胎内に与えられたいのちは神が創造された、かけがえのないいのちです。殺してはなりません。「望んでいなかったのです。」「欲しくないのです。」と、言われますか。そうです。そうであればこそ、なおさら人の思いや願いを越えて、神が与えてくださった尊いいのちです。神はみこころのままに、ある人々に産む使命を与えて神の生命誕生の業にあずからせ、またある人々に育てる使命を与えて神の生命育成の栄光の業にあずからせます。マリヤは神のいのちゆえに産む使命を全うし、聖書は多く語らずとも、ヨセフはひたすら育てる使命を全うします。この両者の使命完遂がなくてどうして救い主、御子の誕生があり得たでしょうか。神はマリヤを祝福された女と呼び、ヨセフを正しい人と認めます。小さないのちを守る者を神は恵み、祝福されるのです。マリヤは誰ですか。ヨセフはだれですか。
神よ。いのちの尊さとすばらしさを、なお深く教え、それを実行する者としてください。
福音自由教会牧師
前 小さないのちを守る会代表
辻岡 健象
小さないのちを守る会
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